HTML Helpの作成方法(応用編)
ヘルプのローカライズ

他言語のヘルプを日本語にする、あるいは日本語のヘルプを他言語にする際のポイントをまとめてみました。

ヘルプの言語設定

ヘルプウィンドウの文字

HTML Helpを表示するためのランタイムコンポーネント(hhupd.exe)は1種類で、1つのhhupd.exeをインストールするだけで28言語に対応できます。hhupd.exeをインストールすると、Windows\System(32)などの中にmuiフォルダが作成されます。その中に言語ごとのhhctrlui.dllファイルが入っています。

HTML Helpウィンドウのボタンやタブの項目名は、HTML Helpが動作しているWindowsの言語に合わせて自動的に決まり、現在のWindowsの言語に対応するhhctrlui.dllが使用されます。たとえば英語版のWindowsを起動していると英語の項目名、ドイツ語版を起動しているとドイツ語の項目名になります。このため、現在のWindowsの言語以外の項目名のヘルプを表示することはできません。たとえば、英語のWindows上でフランス語やドイツ語の項目名のヘルプに切り替えて表示することはできません。
1枚のCD-ROMに複数言語のHTML Helpを入れておき、ターゲット言語のWindowsに合わせたヘルプを表示したいという場合、インストーラでWindowsの言語を見分けて、対応するHTML Helpをインストールするようにするのが簡単です。

  • ヘルプウィンドウ右側に表示される各トピックの本文は、Windowsの言語に関係なく、HTML Helpのエンコーディング方式に合わせて表示されます。Windowsに言語サポートが入っていれば、英語のWindows上で日本語の本文を表示するようなこともできます。この点は、Internet ExplorerでHTMLファイルを表示する場合と同じです。

プロジェクトの言語設定

HTML Helpのプロジェクトファイル(*.hhp)の[OPTIONS]セクションには、「Language=0x411 日本語」のように言語を指定する行があります。このLanguageの設定によって、キーワードの並び順が変わります。しかし、言語を変更しただけで、HTML Helpウィンドウの項目名の言語が変更されるわけではありません。上記のように、その言語のWindowsで表示しなければ、項目名は変わりません。

プロジェクトの言語指定は、HTML Help Workshopの[Options]ダイアログの[Language]で設定できますが、[Language]のプルダウンメニューに28言語が正しく表示されない場合があります。表示されない場合は、プロジェクトファイルをテキストエディタで開いて、言語に対応する数値に直接書き換えてください。
各言語と数値の対応を以下に示します。

0401 Arabic
0403 Catalan
0404 Traditional Chinese
0405 Czech
0406 Danish
0407 German
0408 Greek
0409 English
040A Spanish
040B Finnish
040C French
040D Hebrew
040E Hungarian
0410 Italian
0411 Japanese
0412 Korean
0413 Dutch
0414 Norwegian (Bokmal)
0415 Polish
0416 Portuguese (Brazilian)
0419 Russian
041B Slovak
041D Swedish
041F Turkish
0424 Slovenian
042D Basque
0804 Simplified Chinese
0816 Portuguese (Standard)

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外国語のヘルプを日本語にする場合の確認事項

HAT(Help Authoring Tool)の確認

海外では、市販のヘルプオーサリングツールを使ってる場合が多いので、ツール名を確認してください。

そのツールの日本語版が発売されている場合は、日本語版を使って翻訳する方が無難です。というのも、独自の機能拡張を行っている場合があるからです。この場合、元のツールがないと、作業が難しくなります。

  • 海外のツールで現在日本語版が発売されているものは、RoboHelpとForeHelpだけですが、その他の英語版のツールでも日本語に対応しているものもあります。

元ファイルの確認

基本的なヘルプの場合、コンパイルに必要なファイルは、*.hhp、*.hhc、*.hhk、*.htm(*.html)、と、イメージファイル(*.gif、*.jpeg、*.png)です。これらのファイルが揃っているか確認してください。

状況依存ヘルプの場合は、*.h、*.txtファイル(フィールドレベルの状況依存ヘルプの場合)が含まれます。

また、*.avi、*.scm(Lotus ScreenCamファイル)などの動画ファイルや、*.docなどの文書ファイル、*.css、*.jsなどが含まれる場合もあります。

  • *.cssはカスケーディングスタイルシートファイルです。このファイル中で欧文フォントが指定されていると日本語を表示できませんので、和文フォントに置き換えてください。
  • *.jsはJavaScriptファイルです。ポップアップをまとめて指定するのに*.jsファイルを使っている場合がありますが、この場合は*.jsファイル中のポップアップの文字を翻訳します。

以上のようなファイルのみでしたら、HTML Help Workshopでオーサリングできます。その他に、見なれない拡張子のファイルが含まれる場合は、HTML Help Workshop以外のヘルプオーサリングツールで制作されている可能性が高くなりますので、ご注意ください。

  • *.mpj、*.ldb、*.aliなどがあれば、RoboHelpで制作されたヘルプです。さらに*.csh、*.hhhが含まれると、通常のHTML HelpでなくRoboHelp独自のWebHelpであることを意味します。

charsetの確認

トピックファイル(*.html、*.htm)のMETA要素で、<META http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=ISO-8859-1">などと、文字符号化方法が指定されていないか確認してください。指定されている場合は、「charset=Shift_JIS」に置き換えてください。

  • HTML Help Workshopでは日本語はシフトJISとして扱われます。「charset=ISO-2022-JP」「charset=EUC-JP」を指定し、これらの形式でファイル保存していると、コンパイル時にエラーが表示されたり、全文検索でトピック中のテキストを検索できなかったりします。文字符号化方法を指定する場合は、シフトJISを指定し、トピックファイルもシフトJISで保存する方が良いでしょう。(通常のHTMLオーサリングツールは初期設定ではシフトJISで保存するので、あまり保存形式を意識する必要はありません。「charset=Shift_JIS」にする点のみ注意してください。)
  • charsetで文字符号化方法を指定することが良いかどうか、色々意見があるのですが、少なくともHTML Helpとして使用する場合は、<meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=○○">を削除してしまっても支障はありません。

トピックファイルの翻訳

HTML Helpのトピックファイルには、ActiveXコントロールなど、扱いが難しい部分があります。翻訳者がHTMLに詳しくない場合は、直接ソースが見えないHTMLオーサリングツールを使う方が良いでしょう。

これらのHTMLオーサリングツールでは、HTML Help ActiveXコントロールやJavaScriptが埋め込まれている箇所がマークなどで表示される場合が多く、翻訳者はマーク以外の本文だけを翻訳し、マーク部分は、HTMLとヘルプに詳しい人が担当すると、効率よく作業できます。ただし、ツールによっては、ActiveXコントロールの部分などを正しく読み込まない場合がありますので、ご注意ください。

  • この他、トピックファイルのTITLE要素の内容も、忘れずに翻訳してください。

目次の翻訳

HTML Help Workshopの[Contents]タブで1項目ずつ翻訳するか、*.hhcファイルをテキストエディタで開いて変更します。

日本語の方が文字数が増えやすいので、注意してください。文字数が多いと、[目次]タブの文字が途中までしか表示されなくなります。

キーワードの翻訳

キーワードには、

  1. HTML Help Workshopの[Index]タブで指定し、*.hhkファイルに保存するタイプ
  2. KLinkコマンドで指定し、個々のトピックファイルに挿入するタイプ

の2種類があります。どちらのタイプで指定されているか、あるいは両タイプを併用しているのか確認してください。

個々のトピックファイルにキーワードが挿入されているかどうかを確認するには、HTMLオーサリングツールやエディタ(複数ファイルの検索が可能なもの)で、次のaとbの文字列を検索してみてください。

  1. param name="Keyword"
  2. PARAM name="Command" value="KLink"

aは、キーワードが指定されているファイルです。「param name="Keyword"」に続く、「value=""」の""内を翻訳します。

bは、指定したキーワードへのジャンプが設定されているファイルです。
検索した文字列の後に「<PARAM name="Item2" value="">」とありますので、「value=""」の""内を翻訳します。

キーワードの並び順について

1の場合は、HTML Help Workshopの[Index]タブで1項目ずつ翻訳するか、*.hhkファイルをテキストエディタで開いて変更します。元のキーワードはアルファベット順の場合が多いので、五十音順に並べ替える必要があります。

2のKLinkコマンドでキーワードをトピックファイルに挿入している場合、キーワードは自動的に以下の順番に並べ替えられます。

記号→数字→アルファベット→ひらがな/カタカナ→漢字(シフトJIS漢字コード順)

これを五十音などに並べ替えることはできません。

その他

HTML Help ActiveXコントロール

キーワード以外にも、ShortCutなどのActiveXコントロールが挿入されている場合があります。これらのボタン名なども翻訳する必要があります。「OBJECT」で検索すると、挿入個所が検索されますので、キーワードの場合のように、必要個所を日本語に変更してください。

「HTML Help ActiveXコントロール リファレンス」

ウインドウタイトル

HTML Help Workshopの[Project]タブでウインドウタイトルを変更します。

「ウインドウのボタンやサイズを変更する」

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他言語のWindows上でヘルプをコンパイルするには

海外でローカライズを行う場合など、英語版のWindows上で日本のヘルプをコンパイルしたいといった要望がよくあります。Windows 2000ならば、他言語のヘルプをコンパイルすることが可能です。ただし、デフォルトでは現在のWindowsの言語に基づいてコンパイルされるため、全文検索情報などが正しくコンパイルされません。たとえば英語版のWindowsで日本語のヘルプをコンパイルすると、トピックは日本語で表示されるのですが、[検索]タブで日本語を入力しても何も検索されません。
必ず、以下の方法でシステムの言語設定をヘルプの言語に変更してからコンパイルしてください。

  1. コントロールパネルの[地域のオプション(Regional Options)]をダブルクリックして[地域のオプション(Regional Options)]ダイアログを表示します。
  2. [システムの言語設定(Language settings for the system)]で、コンパイルするヘルプの言語を選択し、[規定値に設定(Set default)]ボタンをクリックしてデフォルトに設定します。
  3. コンピュータを再起動します。

Windows 2000以外のWindowsでは、他言語のヘルプを正しくコンパイルすることはできません。(まったくコンパイルできないこともないようですが、キーワードの並び順などがおかしいという情報があります。)

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