Office 2000のヘルプについて

1999年7月9日、Microsoft Office 2000が発売されました。Office 2000からは、主要な部分のヘルプにHTML Helpが採用されています。その内容について、ちょっと調べてみました。

Office 2000をインストールするとHTML Helpが表示可能になる

Office 2000ヘルプに限らず、HTML Helpを表示するには、Internet Explorer 3.02+HTML Helpランタイムコンポーネントが必要です。

Office 2000には、Internet Explorer 5が付属しています。インストール時に、[今すぐインストール](=標準インストール)を選択すると、自動的にIE 5がインストールされます。カスタムインストールを選択した場合も、インストールするマシンにIE 3.xまたは4.xしか存在しないときは、IE 5のインストールを促すダイアログが表示されます。ここでもあえて[Microsoft Internet Explorerをアップグレードしない]を選択した場合のみ、IE 5がインストールされません。

さらに、[Microsoft Internet Explorerをアップグレードしない]を選択した場合でも、Office 2000をインストールすると、HTML Helpランタイムコンポーネントのみは自動的にインストールされます。従って、もともとIE 3.xが入っているマシンにOffice 2000をインストールすると、必ずHTML Helpを表示できるようになります。

  • ただし、Office 2000は、動作環境としてIE 4.01 SP1以上必須、IE 5推奨です。Office 2000のヘルプの一部の機能は、IE 3.x以上では動作しませんし、3.xでの使用はお勧めできません。

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Office 2000のヘルプの内容

初期設定ではイルカ(アシスタント)が表示される

初期設定では、従来のOfficeのヘルプのようにイルカが登場します。イルカを消すには吹き出しの[オプション]をクリックして[Office アシスタント]ダイアログを表示し、[Office アシスタントの使用]のチェックを外します。

HTML HelpはOffice用にカスタマイズされている

Office 2000のほとんどのアプリケーションのヘルプは、カスタマイズされたHTML Helpです。次の点が通常のHTML Helpと異なります。

  • [目次][質問][キーワード]の3つのタブがありますが、このうちの[質問]タブは、Office 2000ヘルプ独自の機能です。通常の[検索]タブと同じく全文検索を行うのですが、[質問]タブでは自然語検索が可能です。たとえば「助けて!」と入力して[検索]ボタンをクリックすると、ヘルプ関連のトピックなどが一覧表示されます。
    [キーワード]タブも、通常のHTML Helpとは異なり、[クリア][検索]ボタンが付いています。
    これらのタブの機能は、HTML Help Workshopでは設定できません。プログラム側で設定しているようです。従って、Office 2000ヘルプを単独で起動すると、タブが表示されません。ヘルプだけ見たい場合に、これはちょっと不便です。
    できればHTML Helpの標準機能として、[質問]タブと[キーワード]タブの追加機能をサポートしてほしいというのが、ヘルプ制作者としての要望です。同じHTML Helpなのに機能が異なると、ユーザーが混乱するからです。
  • ヘルプウインドウには、5つのボタンが付いていますが、アイコンのみで、ボタン名(「表示/非表示」「戻る」「進む」「印刷」「オプション」)が表示されません。(これはプロジェクトファイル(*.hhp)の[WINDOWS]セクションの数値を変えることで実現できます。通常のボタン名が付いている方が、個人的には分かりやすいと思うのですが。)
  • さらに、VBScriptとJavaScriptで機能拡張しています。ヘルプトピックを右クリックし、ポップメニューから[ソース表示]を選ぶと、各トピックの内容を確認できますので、興味のある方はご覧ください。

ポップアップ部分は、以前のWinHelp形式で、HTML Helpから呼び出しています。(HTML Helpのポップアップでは画像が表示できないためと、ポップアップのトピックをまとめて管理しにくいからかと思います。早くHTML Helpのポップアップも機能アップしてくれると良いのですが。)

全体構成は従来のOfficeヘルプとほぼ同じ

目的別リファレンス形式のヘルプです。見出しや個々の項目の変更はありますが、大枠は従来のOfficeのヘルプとそれほど違いません。ヘルプだけで初心者が操作を覚えるのは難しく、紙の入門マニュアルが別に必要でしょう。

各アプリケーションのヘルプとも、文字中心の簡素なレイアウトになっています。文字サイズや色は、カスケーディングスタイルシートで指定しています。

目次について

目次には、WinHelpと同じアイコンを使っています。目次のタイトルが長く、横スクロールするか、タブの部分の横幅を広げないと、内容を確認しにくいのが難点です。ある程度タイトルが長くなるのは仕方がないとして、Excelの「トラブルシューティング」の見出しの下に、「トラブルシューティング : ワークシートの分析」「トラブルシューティング : 輪郭、塗りつぶし、影、3-D 効果」のように、「トラブルシューティング」から始まる目次が延々と続く個所などは、短くしてもらえたらなと思います。

また、トップのレベルの見出しの数が多く、選択に苦労します。初心者用と上級者用、機能リファレンスと目的別リファレンスなど、表示される見出しを制限したり、切り替えたりできれば、より使いやすいでしょう。これはHTML Helpのインフォメーションタイプ機能がきちんと動作するようになれば、実現できるはずですので、今後に期待したいところです。

その他

独自の機能拡張の影響か、通常のHTML Helpに比べて、ヘルプの起動に時間がかかります。

MS IME 2000のヘルプが使いにくいなと感じました。

  • 図や表の横幅が600ピクセルを超え、タブの部分を含めると800×600のディスプレイでも横スクロールしないと表示できない部分があります。
  • デフォルトトピックの図の色が強烈で文字を読みづらく、しかもクリッカブルマップであるということが理解しにくいデザインです。
  • 見出しの色が青色なのですが、リンク部分と混同しやすいので、Officeの他のヘルプと同じ黒色の方が良いでしょう。
  • なお、MS IME 2000のヘルプは、通常のHTML Helpで、[目次][キーワード]タブが表示されます。

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ヘルプトピックのフォントサイズを変えるには

  • ヘルプトピックのフォントサイズは、Internet Explorerのフォントサイズの設定に応じて変わります。IEでフォントサイズを変更し、その後HTML Helpを起動すると、トピックの文字サイズが変わります。
  • IE 5の[ツール]の[インターネットオプション]で表示されるダイアログの[全般]タブの[ユーザー補助]ボタンをクリックし、[Webページで指定されたフォントサイズを使用しない]にチェックを付けると、IE標準のフォントサイズになり、全体的に文字が大きくなります。
  • Officeヘルプのフォントサイズは、カスケーディングスタイルシートで設定されています。BODYを標準の80%のサイズにし、他の要素のサイズも、これを基準に%で指定しているようです。ですから、次のように入力したスタイルシート(*.css)を作成し、[ユーザー補助]ダイアログの[ユーザースタイルシート]に指定することで、全体のフォントサイズを変更できます。

    BODY { font-size: 20pt !important }

    「20pt」の部分に、基準にするフォントサイズを入力します。

    HTML Helpだけでなく、IEのフォントサイズもここで指定したサイズに変わりますので、ご注意ください。

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「Web または他の情報へのリンク」に情報を追加するには

Office 2000のヘルプの一部のトピックは、「Webまたは他の情報へのリンク」という項目が付いています。これは、将来アップデータなどが登場したときに情報を追加する切り口で、今のところクリックしても何も動作しません。実はMicrosoftのアップデータ以外に、自分でヘルプを作って「Webまたは他の情報へのリンク」から呼び出せるようにすることもできます。その方法をご紹介します。

Office 2000のヘルプ自体にいくつかトピックを追加しても、あまり意味がないと思いますが、ヘルプにトピックを後から追加する方法の参考にしてください。

Office 2000のアプリケーションには、「Webまたは他の情報へのリンク」への追加情報を入れるためのヘルプがあらかじめ用意されています。これらのヘルプは、以下のファイル名で、Office 2000のフォルダの中にインストールされていて、それぞれのアプリケーションの他のヘルプに結合されています。

acweb9.chm:Access用の追加情報のヘルプ
xlweb9.chm:Excel用
olweb9.chm:Outlook用
ppweb9.chm:PowerPoint用
wdweb9.chm:Word用

これらと同名のchmファイルを新たに作成して追加情報のトピックを入れ、上記のファイルと置き換えます。

Webまたは他の情報へのリンクのしくみ

「Webまたは他の情報へのリンク」は、HTML HelpのAリンク機能を使っています。Office 2000のヘルプのトピックで「Webまたは他の情報へのリンク」と記載されている個所には、ジャンプ先のAリンク名が指定されており、Office 2000のヘルプ中にそのAリンク名が見つかると、そのトピックにジャンプできるしくみです。

たとえば、Word 2000の「Word で Web の検索ページを開く」というトピックの最後には「Webまたは他の情報へのリンク」がありますが、このソースを見ると、以下のように設定されています。

<OBJECT ID="hhobj_AR"
TYPE="application/x-oleobject"
CLASSID="clsid:adb880a6-d8ff-11cf-9377-00aa003b7a11">
<PARAM NAME="Command" VALUE="ALink">
<PARAM NAME="Font" VALUE="MS Pゴシック,9,128">
<PARAM NAME="Text" VALUE="Text:Web または他の情報へのリンク">
<PARAM NAME="Flags" VALUE=",,1">
<PARAM NAME="Item1" VALUE="">
<PARAM NAME="Item2" VALUE="ofhowOpenSearchPageW">
</OBJECT>

このうちの"ofhowOpenSearchPageW"がAリンク名です。現在のOffice 2000のヘルプには、このAリンク名が付いたトピックがないので、「Webまたは他の情報へのリンク」をクリックしても何も動作しません。

Aリンクのジャンプ先を作るには、以下のようにします。

  1. 任意の名前のトピックファイル(*.htm、*.html)を新規作成し、「Webまたは他の情報へのリンク」をクリックしたときに表示したい内容を入力します。
  2. HTML Help Workshopでwdweb9.hhpという名前のプロジェクトを新規作成し、1で作成したトピックファイルをプロジェクトに追加します。
  3. HTML Help Workshopで1のトピックファイル名をダブルクリックして開きます。
  4. トピックファイルのAリンク名を挿入する位置にカーソルを入れ、[Edit]→[Compiler Information]を選択します。
    [Compiler Information]ダイアログが開きます。
  5. [ALink Names]タブの[Add]ボタンをクリックします。
    [Add ALink name]ダイアログが表示されます。
  6. Aリンク名(ここでは"ofhowOpenSearchPageW")を入力します。
  7. [OK]ボタンをクリックします。
    [Compiler Information]ダイアログに戻ります。
  8. [OK]ボタンをクリックします。
    ダイアログが閉じ、Aリンク名が挿入されます。
  9. [File]→[Save File]を選択し、トピックファイルを上書き保存します。
  10. ヘルプをコンパイルします。
  11. 作成されたwdweb9.chmを、Office 2000のフォルダのwdweb9.chmと入れ替えます。

上記の操作の後でWord 2000のヘルプを開き、「Word で Web の検索ページを開く」を表示すると、「Webまたは他の情報へのリンク」が青色に変わっており、クリックすると自分が作成した内容のトピックが表示されます。

Office 2000の場合のように、あらかじめ追加情報用のダミーのchmファイルを作成し、他のヘルプと結合した状態で出荷すると、バージョンアップなどで追加情報が発生した場合に、このchmファイルのみ上書きすれば、各ヘルプから追加情報を表示することができます。複数のchmファイルを手直ししないでも良いので、うまく利用するとメンテナンスが楽になります。

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