地方自治体ウェブアクセシビリティ調査

全国の都道府県、市町村のウェブサイトの担当者向けに、メールでアクセシビリティ調査を行いました。その結果をご報告します。

アンケート内容

調査期間:7月23日から8月23日まで

アンケート項目

  1. サイト独自のアクセシビリティ指針を一般公開しているか
  2. 一般公開していない場合でも、サイト独自のアクセシビリティ指針があるかどうか
  3. その他、高齢者、障害者向けの配慮を何かしているか(注)
  4. ウェブコンテンツのJIS規格化を知っているか(注)
  5. JIS規格化によって、サイトの見直しをする予定があるか

有効回答数:391件

(注)3と4は途中から追加した項目のため、有効回答数は、271件になります。

アンケート結果

1.サイト独自のアクセシビリティ指針を一般公開しているか

  • 公開している:22件
  • 公開していない:369件

公開しているサイトは、回答がなかった自治体でこれまでに把握していたものとまとめて、「日本のアクセシビリティ指針」に追加しました。

2.一般公開の有無にかかわらず、サイト独自のアクセシビリティ指針があるかどうか

  • 指針がある:93件
  • 指針はない:270件
  • 検討中:11件
  • 作成中:17件

独自指針はないが、参考にしている指針としては、以下のものがありました。

3. その他、高齢者、障害者向けの配慮を何かしているか

  • 配慮している:191件
  • 配慮していない:80件

具体的に配慮している項目としては、以下のようなものがあります。

  • フォントサイズを固定せず、文字の大きさをユーザのブラウザ側で調整できるようにする。(また、文字の拡大方法をウェブサイト上で案内している。)
  • 画像に代替テキストを付ける。
  • 色だけの情報にたよらずに識別できるようにする。
  • 弱視者、色覚障害者向けに配色に配慮している。
  • 音声読み上げソフトで読み上げられるようにする。
  • 各ページに内容のわかるタイトルを付ける。
  • フレームを(極力)使用しない。
  • 各ページに「パンくず」リストを付ける。
  • 階層を深くせず、わかりやすいナビゲーションに配慮する。
  • キーボードのみで操作できるようにする。
  • リンク、ボタンをクリックしやすい大きさにする。
  • 機種依存文字を使用しない。
  • 日付、お金、時間、電話番号などの表記については、音声ブラウザの読みあげを意識する。
  • 表組みについて、行列関係や表示順序を考慮する。
  • あまり複雑な表は、解体するか、箇条書きなどにする。
  • 表にはタイトルを付ける。
  • 役所的な言い回し、外来語などを避け、平易な言葉で説明する。
  • 音声ブラウザ用などのテキストページを別に用意している。
  • 外国語のページを設定している。
  • 音声読み上げ、画面拡大ができるサーバーサイドのソフトを導入している。

文字サイズ拡大、配色など、視覚障害者向けの配慮を挙げる自治体が多く、キーボードのみで操作できるなどの身体障害者にも向けた配慮を挙げた自治体は2件でした。また、聴覚障害者、認知障害者向けの配慮についてはまだまだ不自由分という結果です。

4.ウェブコンテンツのJIS規格化を知っているか

  • 知っている:195件
  • 知らない:62件
  • 今回のアンケートがあるまで知らなかった:14件

「知っている」という回答の中にも、「言葉だけは聞いたことがある。」「公示されたことは知っているが内容は把握していない。」といった回答が何件かありました。特に町村のウェブマスターからは知らないという回答が多く、まだまだウェブコンテンツのJIS化が認識されていないことがわかりました。

5.JIS規格化によって、サイトの見直しをする予定があるか

  • あり:148件
  • なし:142件
  • 検討中:77件
  • 未定:23件
  • JIS規格に合わせてリニューアル済み:1件

見直し予定ありとなしがほぼ同数で、JIS規格化だけでは予算、工数などから、見直しの契機になりきれていないのが、うかがわれます。
見直し予定ありの中には、市町村合併後のリニューアル時に見直すというのが21件、合併に伴って検討中が11件ありました。また、見直し予定なしの中にも、合併で統合され独自サイトがなくなるためというのが、14件ありました。
市町村合併はサイトリニューアルの好機ですので、ウェブサイトのアクセシビリティに関するユーザの声を各地方自治体に今から働きかけるのが効果的と思われます。

その他、アンケート回答の意見としては、都道府県レベルではサイトが巨大で、コンテンツ・マネージメント・システムを導入したり、各部署がバラバラにサイトを構築しているためにアクセシビリティ向上がなかなか難しい。町村レベルでは、ウェブサイト制作の担当が役場中のひとりだけなので、アクセシビリティへの配慮まで手が回らないというものがありました。

法的拘束力のないJIS規格ですので、広報活動などによる意識の浸透と、担当者が少ない町村などへのヘルプが望まれます。

以上、不十分なアンケートですが、何かのお役に立てれば幸いです。

by クロッシングフィンガーズ