Macromedia製品とアクセシビリティ

米国では、リハビリテーション法 修正508条およびアシスティブ・テクノロジー法により、2001年6月21日以降、連邦政府・州政府の障害を持つ雇用者と、連邦政府・州政府の情報を必要とする政府外の障害者の両方が、連邦政府・州政府が調達・購入、管理もしくは使用する電子・情報技術にアクセスできることを保証することが義務付けられました。

このため、Dreamweaver、Flash、Fireworksなど、メジャーなWebコンテンツ制作ツールを開発しているMacromedia社でも、アクセシビリティ専門のページを設け、Extension(拡張機能)やサンプルコードの提供、セミナーの開催などのサービスを開始しました。また、最新バージョンのDreamweaver MX、Flash MXなどには、アクセシビリティを意識した機能が追加されています。

Dreamweaver MX/MX 2004のアクセシビリティ機能

オーサリング環境の向上

JAWS for WindowsやWindows Eyesなどのスクリーン・リーダーに対応した他、フローティングパネル、プロパティインスペクタ、ダイアログボックスなどをマウスを使用せずにキーボードのみで操作することができるようになりました。

アクセシビリティ機能を付加しやすくする機能

挿入時の属性の追加

Windows版では[編集]→[環境設定]、Mac OS Xでは[Dreamweaver]→[環境設定]を選択し、カテゴリリストで[アクセシビリティ]を選択すると、[環境設定]ダイアログにアクセシビリティオプションが表示されます。
このダイアログで、[挿入時に属性を表示]チェックボックスにチェックを入れると、フォームオブジェクト、イメージ、フレーム、メディア、テーブル挿入時に、[アクセシビリティ属性]ダイアログが表示されるようになります。
[アクセシビリティ属性]ダイアログでは、代替テキストや、タブ順序、アクセスキーや、テーブルのキャプションやサマリー、ヘッダの指定などを行うことができます。

アクセシビリティチェック機能

現在のドキュメントは[ファイル]→[ページのチェック]→[アクセシビリティのチェック]で、サイト全体は[サイト]→[レポート]で表示される[レポート]ダイアログで[アクセシビリティ]にチェックを付けると、チェック結果が表示されます。チェックはリハビリテーション法第508条と、WACG 1.0に基づいて行われているようです。

Dreamweaver用のアクセシビリティチェック・改善ソフトとしては、別にLIFT for Macromedia Dreamweaver(日本語版開発元:ソシオメディア)という製品が販売されています。

Flash MX/MX 2004のアクセシビリティ機能

Flash Playerは、バージョン6からマイクロソフトのMSAA(Microsoft Active Accessibility)に対応しました。しかし、単にFlash Player側がMSAA対応すれば、MSAA対応のスクリーン・リーダーで読めるようになるという訳ではありません。スクリーン・リーダー、音声ブラウザ側の対応も必要になります。日本語版のスクリーン・リーダー、音声ブラウザの対応は次のとおりです。

Flash Player 6

高知システム開発のPC-Talker、日本アイ・ビー・エムのJAWS 4.5、システムソリューションとちぎの95Reader Ver.5.0(XP Reader)が対応。

Flash Player 7

PC-Talker XP はv1.14 で対応。 JAWS はVer.6.2で対応。 95Reader Ver.5.0 ( XP Reader )は正式サポートはしていないが対応。音声ブラウザのホームページ・リーダーはVer.3.04で対応。ボイス・サーフィンは未対応。

Flash MX 2004の機能

Flashムービーを読み上げるためには、Flash MX/MX 2004側で代替テキストなどを設定しておく必要があります。テキスト、テキスト入力フィールド、ボタン、ムービークリップ、ムービー全体の五種類のオブジェクトを音声で読み上げることが可能になります。

また、マウスを使わずキーボードのみで操作しているユーザーのために、オブジェクトにショートカットキーを割り当てたり、タブの移動順をタブインデックスで指定することができます。特にタブインデックスの設定は重要です。HTMLの場合は、ソースコードに記述された上から下に向けてタブキーを押すとリンクなどを移動するのですが、Flashコンテンツの場合は独自の計算式に基づいてタブが移動するので、タブインデックスを設定していないと、思わぬ順序で移動してしまいます。

代替テキストやタブインデックス、ショートカットキーは、「アクセシビリティ」パネル上で指定できるほか、ActionScriptに記述することもできます。

詳しくは、マクロメディアのサイトのアクセシビリティコーナーの「アクセシブルなFlashデザインのベストプラクティス (PDFファイル)」をご覧ください。

Macromedia - アクセシビリティ

アクセシブルなFlashムービーのサンプル

以下のサイトにアクセシブルなFlashムービーや、その作成方法のヒントなどが掲載されています。
情報提供:禁魚さん

今日のおやつ判定テスト! 

Macromedia Flashムービーの JAWS for Windows V4.5 での読み上げについて

Flash Accessibility Example (英語)

Macromedia - Accessibility : Macromedia Flash MX Features (英語)

これらはswfファイルがHTMLに貼り付けられていることが前提になります。
禁魚さんの情報では、以下の例のようにテキストフィールド一つだけのFlashコンテンツでは、特にアクセシビリティの設定を行なわなくても、スクリーンリーダーで読み上げられるそうです。

アクセシビリティ設定していないがスクリーン・リーダーで読み上げられるFlashの例

アクセシブルなFlashムービーの実装例

以下のサイトでアクセシビリティ機能を使用したFlashが使われています。

Sony Music Online Japan

PCオーディオ製品WAVIOシリーズ

NCAM Rich Media Accessibility (英語)

アクセシブルなフラッシュサイトへのリンク集です(英語サイトのみ)。Zoot Suit Culture などは、なかなか凝った作りで参考になります。

拡張機能

ここでは代表的な拡張機能であるCheck Page for Accessibilityと508 Accessibility Suiteについて説明します。

  • Check Page for Accessibilityは、アクセシビリティ診断ツールです。Dreamweaver 3/4、UlraDevで制作しているHTMLファイルが、WAIのガイドラインに従っているかどうかをチェックし、問題個所をリストアップして表示します。機能的にはBobbyのような他の診断ツールと似ていますが、Dreamweaver上から直接実行できるので便利です。
  • 508 Accessibility Suiteは、Dreamweaver 4/UlraDev 4で制作しているHTMLファイルが、リハビリテーション法 修正508条の電子・情報技術アクセシビリティ基準に従っているかどうかをチェックし、問題個所をリストアップして表示します。Check Page for Accessibilityでは1ファイル単位でのチェックのみですが、508 Accessibility Suiteではサイトすべてやフォルダ全体のHTMLファイルを一度にチェックすることもできます。
  • サードパーティの製品としては、ここで紹介する以外にLIFT for Macromedia Dreamweaverがあります。詳しくは、「Webアクセシビリティチェカー」のページをご覧ください。

これらのツールはMacromediaのAccessibilityのページからダウンロードできます。

現在提供されているのは英語版のみですが、私が試した範囲では、これらの英語版の拡張機能を日本語版のDreamweaverに組み込んでも動作しました。ただし、英語版ですから、チェック結果が全部英語で表示されます。また、日本語版では正式にはサポートされていません。

使用方法

Extension Managerのインストール

Check Page for Accessibilityと508 Accessibility Suiteの動作には、Extension Managerが必要です。Dreamweaver 4とUlraDev 4にはExtension Managerが含まれますが、Dreamweaver 3上で使用する場合は、まず最初に次の手順でExtension Managerをダウンロードし、インストールする必要があります。

  1. Macromeida Dreamweaver パワーアップセンターから、Extension Managerをダウンロードします。
  2. ダウンロードしたファイルをダブルクリックすると、インストーラが解凍されます。
  3. インストーラをダブルクリックすると、Extension Managerがインストールされます。

拡張機能のインストール

ダウンロードしたMacromedia Accessibility Starter Kitを解凍し、該当するフォルダの中のmxpファイルをダブルクリックしてインストールします。

Check Page for Accessibilityの使用方法

  1. 内容をチェックしたいHTMLファイルをDreamweaver/UlraDevで開きます。
  2. [コマンド]→[Check Page for Accessibility]を選択します。
    確認ダイアログが表示されます。
  3. [OK]ボタンをクリックします。
    チェックが開始されます。
    完了すると、Webブラウザが自動的に起動し、チェック結果のHTMLファイルが表示されます。
  4. チェック結果を閉じて、Webブラウザを終了します。

508 Accessibility Suiteの使用方法

  1. Dreamweaver/UlraDevを起動します。
  2. [Accessibility]→[Evaluate and Fix]を選択します。
    [レポート]ダイアログが表示されます。
  3. [レポートの内容]でチェック範囲を指定します。
  4. [レポートを選択]で[Evaluate and Fix]を選択します。
  5. [レポート選択]ボタンをクリックし、必要に応じてチェック項目を設定します。
  6. [実行]ボタンをクリックします。
    チェックが開始されます。
    完了すると、問題が発見されたファイルと問題の箇所、問題の内容が表示されます。
  7. チェック結果の行を選択して[ファイルを開く]ボタンをクリックすると、問題の箇所が表示されます。
    また、[Accessibility]→[Explain and Fix]を選択すると、Evaluate and Fixでチェックした問題の詳細を表示したり、問題箇所を開いて編集することができます。

Macromediaでは、その他FireworksのイメージにALTタグを付ける拡張機能なども提供しています。詳しくは、先に紹介したMacromediaのAccessibilityのページ(英語)日本のMacromediaのアクセシビリティのコーナーをご覧ください。