概念
- アクセシビリティ(Accessibility)
- 障害のある人でも、高齢者でも、誰でも利用できるかどうか、その利用しやすさ、アクセスしやすさ、ということです。ソフトウェアに限らず、ハードウェアや建築物、交通機関などに対してもアクセシビリティの良し悪しを言うことができます。Webのアクセシビリティに言及する場合は、障害者、高齢者の他、モバイル機器や携帯電話かインターネットにアクセスする場合のアクセシビリティも含まれます。
- アシスティブ・テクノロジー(Assistive Technology)
- 障害者の暮らしに対する全般的な支援技術を主に差します。建物にエレベータを取り付けたり、段差をなくすことなど、すべての人が同じように生活するための技術を「バリアフリー」と呼びますが、下肢障害者に対する車椅子のように、個々の障害自体を補い、障害者の生活を助ける技術自体は「アシスティブテクノロジー」と呼ばれます。
- デジタルデバイド(Digital Divide)
- 情報格差。パソコンやインターネット等のITを利用する能力、およびアクセスする機会を持つ者と持たない者との間に、情報格差が生じるとされる問題です。所得、年齢、都市と地方、先進国と途上国、人種や教育の違いなどで格差が発生するといわれています。
- ノーマライゼーション(Normalization)
- デンマークのバンク・ミケルセンが知的障害者のあり方について唱えたもので、北欧から世界に広まりました。障害をもつ人も持たない人も同じ市民として、地域の中で共に生活が送れるように住まいや働く場、活動の場や、必要な保健福祉サービスが的確に提供される体制を確立するという考え方です。
- バリアフリー(Barrier Free)
- もともとは建築用語で「バリア(障壁)」を取り除き、暮らしやすくすることを意味します。建物内の段差など、物理的な障壁の除去と言う意味合いが強い言葉でしたが、最近ではより広く、社会的、制度的、心理的なすべての障壁の除去という意味でも使用されています。
- ユーザビリティ(Usability)
- 製品などの使い勝手は機能、性能などがどれだけ高くて豊富かを示すユーティリティと、製品などの使いやすさ、分かりやすさを示すユーザビリティのふたつに分類されます。
ユーザビリティは、すべてのユーザにとって使いやすいかどうかを考慮する言葉ですので、このうち障害者や高齢者などにも使いやすいかを考えるアクセシビリティは、ユーザビリティの中に包含されると言えます。
- ユニバーサルデザイン(Universal Design)
- 米国のロナルド・メイスが、1980年代に従来健常者を基準にデザインされてきたものを、できるだけ多くの人が利用可能であるように製品、建物、空間をデザインすることをユニバーサルデザインと定義しました。バリアフリーが現に存在するバリアの除去を目的とするならば、最初からバリアをなくし、改善やカスタマイズなしに健常者も障害者も使用できるようなデザインを考えようとするのがユニバーサルデザインです。
技術
- JavaアクセシビリティAPI(Java Accessibility API)
- サン・マイクロシステムズが開発したアシスティブ・テクノロジー・ソフトウェアがJavaのコンポーネントから必要な情報を取得し、アクセシブルなアプリケーションを容易に開発できるようにするためのAPIです。
- MSAA(Microsoft Active Accessibility)
- マイクロソフトが開発したアシスティブ・テクノロジ・ソフトウェアのためのAPIです。Windowsアプリケーションは、MSAAに準拠したオブジェクトを用意することで、必要な情報をアシスティブ・テクノロジ・ソフトウェアに提供できます。
- SAMI(Synchronized Accessible Media Interchange)
- マイクロソフトが開発した聴覚障害者、難聴者などが利用できるように、Web ページやマルチメディア・タイトルにクローズド・キャプションを追加する技術。オーディオ、ビデオ、アニメーションのマルチメディアファイルと、同期するクローズド・キャプションのファイルを1つの文書に組み込んで再生します。SAMIフォーマットはHTMLをベースにしており、キャプションファイルを容易に追加・変更できます。
- SMIL(Synchronized Multimedia Integrated Language)
- W3Cから勧告として発表されている、ウェブ上でイメージ、動画、テキストなどを同期させるためのHTMLのようなマークアップ言語です。
- SVG(Scalable Vector Graphics)
- ベクター図形をXMLで記述するための使用です。画面上の図形を拡大・縮小して表示することができます。現時点では表示にプラグイン、まはた専用のビューワが必要です。
- TDD(Telephone Device for Deaf)
- 聴覚障害者用電話機。キーを打ってディスプレイに表示される文字を読むことで相手と会話します。
- アスキーアート(ASCII Art)
- 文字や記号によって絵や図表を表したもの。顔文字((^_^)など)もアスキーアートの一種になる。アスキーアートはスクリーン・リーダーなどでは判読できない。
- オンスクリーンキーボード(On-Screen Keyboard)
- 画面上に仮想キーボードを表示し、ユーザがポインティングデバイスやジョイスティックで画面上のキーを指示することで文字入力します。通常のキーボード操作が困難なユーザ用です。
- 音声ブラウザ(Talking Browser)
- 画面全体の情報を合成音声で読み上げるスクリーン・リーダーに対して、ホームページのテキスト情報のみを読み上げるソフト。 日本語版音声ブラウザーの代表的なものには、ホームページリーダーなどがあります。
- キーガード(Key Guard)
- アクリル板などのキーの位置に合わせて穴をあけ、キーボードに置いて使用します。手をキーボードの上に浮かせて操作することが困難な場合などに、誤ってキーを押すことを防ぐ目的で使用します。
- キネックス(Ke:nx)
- Macintosh用の通常のアプリケーションを操作するための補助システムです。スイッチなどのセンサー入力で、マウスやキーボードと同等の操作を行うための補助ソフトと、スイッチなどをつなぐアダプタから構成されます。
- クローズド・キャプション(Closed Caption)
- もともとは聴覚障害者用に画面に字幕を表示するシステムです。映画の字幕のように常に表示されているオープンキャプションに対し、出したり消したりできるテレビの字幕番組などを、クローズドキャプションと言います。
- スイッチ(Switch)
- 照明のスイッチなどのように、オン/オフすることで、コンピュータを操作する器具です。専用ソフトや他の器具と組み合わせることで、キーボードの代用をします。手や足で押したり、手で握ったり、口からの呼気と吸気、まばたきなどでオン/オフを伝えるなど、個々の障害に合わせて多様なスイッチがあります。
たとえば、画面にオンスクリーンキーボードを表示し、そのキー上を自動的にカーソルが動き、目的の位置でスイッチをオンにすることで、キー入力することが可能になります。
- スクリーン・リーダー(Screen Reader)
- パソコンの画面を音声で読み上げるソフトです。主に視覚障害者用に使用されています。文書の本文を読み上げるだけでなく、ファイルのオープンやクローズ、メニューやダイアログ項目、アプリケーションが表示するメッセージ、入力内容など、画面上のさまざまな情報を、合成音声で読み上げることができます。
- 代替テキスト(Equivalent Text)
- 画像やマルチメディアなど、テキスト以外の要素に対して、それと同等の内容を提供するテキストです。img要素にalt属性で画像の内容をテキストで付ける場合が代表的な例です。
- データテーブル(Data Table)
- 表形式でデータを表すためにテーブルを使用したものです。
- テキストブラウザ(Text Only Browser)
- 画像を表示せず、テキストのみを表示するブラウザです。Lynxが有名です。
- 点字ディスプレイ(Braille Display)
- 点字利用者用に、画面上の文字などを、平面に並べたピンが凹凸して表現します。点字出力用のソフトと一緒に使用します。
- ユーザー補助(User Assistance)
- Windowsをはじめとするマイクロソフト製品で、障害者に対するアクセシビリティの向上のために用意されている機能です。
- レイアウトテーブル(Layout Table)
- 画面レイアウトの目的でテーブルを使用したものです。
法律・ガイドライン
- Webコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン(WCAG:Web Content Accessibility Guidelines)
- W3C の Web Accessibirity Initiative (WAI) が、コンテンツ開発者向けに、アクセシビリティの高いWeb コンテンツの作成のための指針として公開している文書です。現在、WCAG
1.0が勧告となり、2.0の草案を策定中です。
- アシスティブ・テクノロジー法(ATA:Assistive Technology Act of 1998)
- 米国の法律。州政府への資金援助によって、州政府が障害を持つ個人に対してアシスティブ・テクノロジー機器やサービスを利用することを支援し、促進することを目的としています。
- リハビリテーション法 第508条(Section 508 of the Rehabilitation Act)
- 米国の法律。連邦政府が調達、使用する製品や、一般市民に提供する情報、サービスに対して、障害を持つ政府職員・一般市民が、障害を持たない人と同等にアクセスできるようにすることが義務付けられています。(リハビリテーション法自体の対象は連邦政府ですが、アシスティブ・テクノロジー法という別の法律によって、リハビリテーション法
第508条は州政府にも適用されます。)
- 障害を持つアメリカ人法(ADA:Americans with Disabilities Act)
- 米国の法律。障害者への差別を禁じ、機会平等を保証している。雇用における差別禁止、不特定多数の集まる公共的施設における差別禁止、交通機関における差別禁止、聴覚障害者の間で一般的に用いられているTDDに対するリレーサービスから構成されます。
- 障害者・高齢者等情報処理機器アクセシビリティ指針
- 通商産業省(現 経済産業省)の告示。障害者・高齢者などが、機器操作上の障壁により、情報処理機器の利用に支障をきたすケースに対処するため、キーボード及びディスプレイ等の標準的な入出力手段の拡充や専用の代替入出力手段の提供を促進し、障害者・高齢者等の機器操作上の障壁を可能な限り低減し、使いやすさを向上させることを目的とした指針です。
- 障害者等電気通信設備アクセシビリティ指針
- 郵政省(現 総務省郵政事業庁)の告示。障害者、高齢者が円滑に電気通信サービスを利用できるようにするため、電話機やファクシミリ、モデム、携帯情報端末などの電気通信設備に求められる機能の指標として、アクセシビリティを確保するために求められる機能や配慮すべき事項などを簡単にまとめたものです。
- 電気通信法(Telecommunications Act of 1996)
- 米国の法律。電気通信法 第255条では、電気通信設備および顧客宅内機器の製造業者および電気通信サービス業者に対して、それが容易に実現できる場合、電気通信機器および顧客宅内機器を障害者がアクセス・利用可能にすることを義務付けています。
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