障害について

アクセシビリティについて説明する前に、まず対象とする「障害」について、簡単にまとめておきます。

日本の障害者基本法では、(定義)の第二条で、「この法律において「障害者」とは、身体障害、精神薄弱又は精神障害 (以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者をいう。」と記されており、身体障害、知的障害、精神障害の3つに分類されています。
現在、Webサイトやオンラインドキュメントのアクセシビリティで、主に取り上げられているのは身体障害についてです。

  • 米国では、学習障害、知的障害者に対するアクセシビリティに注目されるようになってきていますが、このあたりはまだ勉強不足です。また、夫が脳性麻痺による身体障害者であるため、個人的にも最も関心のある身体障害について、このサイトでは主に説明します。

身体障害とは

身体障害者福祉法では、身体障害の定義として、視覚障害、聴覚障害、言語障害、肢体不自由、心臓、じん臓または呼吸器の機能などの内部障害を挙げています。今のところ、視覚障害、聴覚障害、言語障害、肢体不自由の4つの身体障害のアクセシビリティについて主に取り上げられています。

  • あまり知られていませんが、身体内部の障害も身体障害者福祉法では身体障害とみなされています。内部障害に対するIT関連の問題について情報が少ないため、ここでは説明しませんが、情報をお持ちの方がいらっしゃれば、是非ご一報ください。

視覚障害

身体障害者福祉法で取り上げられているのは全盲、弱視者についてですが、この他に、色覚障害(いわゆる色盲、色弱)も、視覚に対する障害に、ここでは入れておきます。色覚障害は、障害者としてはあまり語られることがありませんが、全男性の20人に1人程度は何らかの色覚障害を持っていて、IT関連でもWebサイトや、アプリケーションの配色によっては、文字を読み取れない、あるいは読みづらいという問題を抱えています。

聴覚障害

聾、難聴などが聴覚障害となります。IT関連では、テレビ、映画鑑賞や、Webサイトで音声付のビデオを流したり、アプリケーションのエラーを音声で知らせるような場合に問題になります。

言語障害

音声、言語に対する障害です。IT関連では、電話や音声入力ソフトなどを使用する際に不自由です。

肢体不自由

脳性麻痺、ニ分脊椎、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、筋ジストロフィー、事故による脊髄損傷など様々な障害が含まれます。また、障害の内容も、肢体の麻痺、硬直、不随意運動、四肢の欠損などがあり、IT関連では機器の操作からWebサイトの閲覧まで、幅広い問題があります。

障害はひとくくりにはできない

上記のように、「障害」という言葉がフォローする範囲は多岐に渡ります。また、肢体不自由と言語障害など、複数の分野に渡る障害を持つ人も多数います。さらに、同じ分類の障害でも、軽度から再重度まででは、支援するIT関連の技術も大きく異なります。

「障害」に対するIT関連の支援を考える場合は、全障害に対する共通のキーとなるものをさぐるよりも、それぞれの障害に対して、どのような技術が必要なのかを考えることが重要でしょう。